キャプテンパイル工法とはどのような工法ですか。

プレキャストコンクリート製のリング(PCリング)を杭頭に被せ、杭とパイルキャップとを接合する場所打ち杭用杭頭半固定工法です(略称:CTP工法)。ゼネコン9社と、高強度せん断補強筋メーカー1社の計10社が共同開発した工法で2005年12月に(財)日本建築センターの一般評定を取得しました(BCJ評定-FD0230-01)。

在来工法との違いは何ですか、また長所と短所を教えてください。

在来工法は杭主筋をパイルキャップや基礎梁に定着しますので、柱・梁接合部と同様の構造です。一方、キャプテンパイル工法は杭頭の固定度を緩和することで地震時の杭頭曲げモーメントが低減されることによる損傷の防止(構造性能の確保)を可能とします。したがって、長所としては、杭頭部・基礎梁の損傷が少なくなると共に杭や基礎梁の断面を小さく抑えることができ、施工性や経済性が有利になることです。また、在来工法で避けられなかった杭主筋のはつり出し作業がなくなり、杭頭レベルを揃える程度のはつり作業で済みます。 一方、短所としては、それほど大きなものは無いと考えられますが、地盤や建物の条件によっては、杭頭部よりも地中部の方が配筋量が増える場合があること、杭長が短い場合などでは経済性の面で有利にならない場合があること、建物の地震時水平変位が増えること、などが挙げられます。