キャプテンパイル工法(略称:CTP工法)概要

プレキャスト製のリング(PCリング)を杭頭に被せ、杭と基礎とを接合する工法です。このPCリングを介して地震時に生じる上部構造からのせん断力を杭に伝達させます。杭頭を半固定状態とすることで杭頭に集中する地震時の応力が緩和できるため杭材の損傷を軽減できるだけではなく、杭や基礎梁等のコスト低減を図ることができます。

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※本工法は、2002年(財)日本建築センターの評定を取得したキャプリングパイル工法(BCJ評定:FD0060-01)の拡張タイプであり、杭頭中央部に引張定着筋を配置することにより杭に生じる引張力にも対応できるようにしました。

評定書

2005年12月22日にキャプテンパイル工法(BCJ評定:FD0230-01)として(財)日本建築センターの評定を取得しました。


適用範囲

 本工法を採用する場合の建物について、以下の制限は特にありません。
  ①建物規模(階数・面積)
  ②建物形状(整形・不整形)
  ③構造種別(S造・RC造・SRC造等)

 本工法を適用する杭仕様は以下となっています。
  ①杭種:場所打ち杭 または 鋼管巻き場所打ち杭
  ②杭径:800φ~3000φ

施工手順

標準施工である引張定着筋をシース方式で配置する手順について示します。

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  ①引張定着筋用のシースを鉄筋かごに取り付けます。
  ②鉄筋かごを落とし込み、杭体のコンクリートを打設します。
  ③杭頭部をはつり、所定の杭天端レベルまで整形します。
  ④PCリングを設置し、PCリング外周面に緩衝材を取り付けます。
  ⑤杭頭部モルタル・シース内グラウトを打設し、引張定着筋を挿入します。
  ⑥杭頭モルタル硬化後、杭頭部絞り用のドーナツ状緩衝材を設置します。

  ※引張定着筋を鉄筋かごに先付けする方法もあります。

杭材の地震時損傷低減

杭頭半固定工法は、従来型の固定工法と比較して、地震時の杭頭曲げモーメントを低減でき、杭材の損傷を少なくすることができるため、耐震安全性が向上します。
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設計フロー

杭の仕様仮定後に杭頭モーメントと回転角の関係を算定し、せん断力を各杭の固定度に応じて分配する点が、従来型の設計法との大きな違いです。

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杭頭固定度とせん断力の関係

軸力ごとに杭頭モーメントと回転角の関係が変化するため、固定度とせん断力の関係は以下のようになります。


設計プログラム

会員には、固定度とせん断力の関係を算定するプログラムとキャプテンパイル工法の設計を一貫して行う専用のプログラムを用意しています。これにより、簡単かつスピーディに設計を行うことができます。

最新の設計プログラム 第14版,2016年6月27日,Ver.3.5.4

投稿論文

2016年度 日本建築学会大会学術講演梗概集

  • 地盤変位を作用させた杭頭半固定杭の挙動に関する検討


2014年度 日本建築学会大会学術講演梗概集

  • 場所打ち杭用杭頭半固定工法の変動軸力および各種要因による構造性能の変化

    • その1 解析概要と変動軸力による影響

    • その2 固定杭との比較、杭頭部絞り率および引張定着筋量の影響

  • 場所打ち杭用杭頭半固定工法に関するリング部材下端緩衝材の開発


2011年度 日本建築学会大会学術講演梗概集

  • 場所打ち杭用束ねスパイラルフープの配筋方法について


2008年度 日本建築学会大会学術講演梗概集

  • 場所打ち杭用半固定工法の開発

    • その12 コア定着による引張定着筋の引張試験

    • その13 実大杭を用いたコア定着による引張定着筋の引張試験


2007年度 日本建築学会大会学術講演梗概集

  • 場所打ち杭用半固定工法の開発

    • その10 杭体モデルの影響

    • その11 二次設計を行わない場合の設計留意点


2006年度 日本建築学会大会学術講演梗概集

  • 場所打ち杭用半固定工法の開発

    • その1 開発背景と工法概要

    • その2 杭頭接合部の曲げせん断実験

    • その3 杭頭回転ばねモデル

    • その4 杭頭接合部FEM解析

    • その5 杭体のせん断実験

    • その6 固定度に及ぼす軸力や引張定着筋量の影響

    • その7 杭頭主筋算定用曲げモーメント

    • その8 施工実験

    • その9 品質管理


2006年度 地盤工学会研究発表会

  • 杭頭半固定接合部に用いるリング部材のせん断抵抗

  • 杭頭半固定接合部に用いる定着筋の引抜試験

  • 杭頭半固定接合部の圧縮試験


2006年度

  • 吉松敏行,西村憲義,山浦一郎:キャプテンパイル工法,建設の施工企画,日本建設機械化協会,pp.21-26,2006年12月