手賀沼ディズニーランド

今田高志,松井建設

 本年度より理事会でお世話になっております。松井建設の今田と申します。

 私は子供の小学校入学に合わせ千葉県の我孫子市に移り住み、28年になります。我孫子市と言えば手賀沼が有名ですが、一時は日本一水質が悪い沼として有名でした。利根川への出口が干拓等により極端に細くなったうえ、東京のベットタウン化で、周辺の柏、沼南町、我孫子の生活排水が流れ込み、ヘドロやプランクトンが大量発生して水質が悪化し、なかなか改善されませんでした。しかし、明治から大正にかけては風光明媚な場所として有名だったようで、白樺派の作家が多く住居を構え、志賀直哉、武者小路実篤の住居跡は今でも保存されています。

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初日の出

 その手賀沼ですが、実は今から60年ほど前にディズニーランドの建設計画があったそうです。1959年当時の後楽園スタジアム社長らが、手賀沼湖畔に後楽園、上野動物園、船橋ヘルスセンターをあわせたような大型遊園地を建設すると発表し、その事業構想で「ロサンゼルス郊外のディズニーランドの規模を参考として事業を進める」と説明されています。その後事業地の買収等進めていましたが、運営会社の財務悪化や手賀沼の汚染などにより1963年頃から雲行きが怪しくなり、ついに1965年計画中止が発表されたという事です。もし完成していれば、手賀沼タワーやケーブルカー、お城まで計画されていたという事ですから一度見てみたかったなと思ったりしています。でも、どう見ても東京ディズニーランドとは似ても似つかぬような気がしますが、本当にディズニーと交渉していたのかどうかは定かでないようです。

 現在は利根川からの導水が完成して水質が改善され、沼の周りに遊歩道やサイクリング道路が整備されて、水の館、鳥の博物館なども建設されています。また、元旦の朝には、手賀沼大橋から奇麗な初日の出が見られます。東京から一時間程で来られますので、一度のんびり散策しに来られたらいかがでしょうか。

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手賀沼ディズニーランド

2020年9月