うちぬき

福島 隆,鹿島建設

 昨年、仕事の関係で愛媛県の西条市に行く機会がありましたので、西条市について紹介します。
 西条市は、愛媛県の中央部に位置し、西日本最高峰「石鎚山」の麓にあり、瀬戸内海に面しています。「うちぬき」とは、西条市内の広範囲にある全国でもまれな地下水の自噴井のことで、市の北側名峰・石鎚山の伏流水が西条市内で被圧水となり被圧帯水層までパイプを打ち込むと吹き出すことから"打ち抜き水"と呼ばれ、日本名水百選にも選ばれています。水量も豊富で、一日の自噴量は約9万m3におよび、四季を通じて温度変化の少ない水は生活用水、農業用水、工業用水に広く利用されているそうです。
 ただし、工事をするには非常に厄介で、水質保護について厳しい規制があったり、杭工事や地下工事では被圧水対策が必要になったりします。
 少し時間があったので、西条市がホームページで公開している「西条水めぐりマップ」をもとに市内を散策しました。JR西条駅からスタートしてゆっくり歩いて約2時間程度です。「観音水」と呼ばれる自噴井を源とした新町川沿いに散策コースがあり、途中に水汲み場、モニュメント、水遊び場、歴史的建造物などがあり、のんびりと散策できました。最後に「うちぬき広場」というところでとてもおいしい水をいただきました。
 東京からは交通の便が悪く行きにくいところですので、現地で水を味わうことは難しいと思います。そこで、この名水を使用した日本酒「石鎚」を紹介します。とてもおいしいので、機会があれば是非ご賞味ください。

うちぬき自噴井

2020年3月