五十の手習い

山中浩一,松井建設

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 2007年に某スポーツを始めた。五十の手習いである。月1回の割合で取り組む予定だったが、夏は暑くてさぼり、冬は寒さにかじかみ数年続けたが体力不足を理由に断念する。肉体的苦痛が楽しみを上回ったからだ。

 45歳での手術をきっかけに体力の低下を意識するようになり、50歳を過ぎて加速されたように感じた。やりたいことは今始めないと一生できないと考えチャレンジしたが体力不足はいかんともしがたい。

 還暦を迎える前に再チャレンジすることを自身に誓い、体力増強のためスクールに入学し中学生以来40年ぶりとなるテニスを始めた。

 テニスラケットについてお話しようと思う。私の中学生時代はテニスラケットといえば木製が主流で、こづかいの多い奴がスチールやアルミ製のラケットを誇らしげに使っていた。むろん、ウィルソン、ダンロップやスラセンジャーといった外国銘柄にも、簡単には手が届かす、私は国産のフタバやカワサキを愛用していた。また、ラケット選びも現在のような試し打ちができるような環境もなく、みんなの噂やせいぜい仲間のラケットを強引に借用して、最後は財布と相談して決めたものだ。テニスを再開してちょうど2年になるがラケットを新調することにした。実はこの2年間使用していたものはスクール入会キャンペーンでいただいた「DUNLOP DiaclusterRIM3.0」である。何の制約も受けずに自分の意思で選べることができる人生で初めてのチャンス到来である。

 まず自身のレベルに合うと思われるものを数本選び試してみた。どれも悪くないが明確な違いが判らない。別の表現をするとスイートスポットを外してもそこそこ返球できてしまう。コーチにスクール生向きのラケットじゃないねと言ったら、大ウケした。おまけに、それは山中さんには軽すぎますよ、女性向けですからと言われた。それではコーチのおすすめをリクエストすると、全く想定外のものを3、4本選んでくれた。その日一番気に入ったものを1本残し、次回は新たに別のを2本選んでもらい、都合3回繰り返した。その結果、一番初めにコーチが手渡してくれたものなった。最初の一振りでグリップエンドの引っ掛かりがいい感じと述べると、その感覚大事ですよと言われ、ガット張替え中で気付かなかったがコーチと同じラケットだった。それ以来、ミスをしてラケットを見ていると、ラケットは悪くないですよ、僕のと同じですからと言われ続けている。

 そのラケットは、「Wilson JUICE100」
 還暦まであと3年4か月!

2012年12月