超高層建物への憧れ

小田 稔,三井住友建設

monthly200903

 私は小学校の卒業文集で、大人になったら大工さんになりたいと書きました。また、実家の増築の際には大工さんの後を追いかけ、木屑をもらってはいろいろなものを作って、楽しみました。少し大きな木を頂いた時に椅子を作りましたが、大工さんが仕事で脚立代わりに使い、見るのも無残な姿に壊れてしまいました。その当時から構造的センスはなかったのかもしれません。
 大学では建築学科に進み、兵庫から東京に出てきました。一人暮らしを始めた場所が池袋に近いこともあり、サンシャイン60(60階,239.7m,当時日本一)を見て感動し、その後、東京にある超高層を見て歩き回りました。当時、一番好きだったのが、赤坂プリンスホテルで、最近その構造設計者と仕事をさせて頂いており、感動する日々が続いています。
 大学の卒業旅行では、世界一の超高層を見に行こうと、往復の飛行機だけを確保して、一人で2週間ほどニューヨーク、シカゴへ行き、来る日も来る日も建物を見て来ました。ワールドトレードセンター(110階,411m)、エンパイアステート (102階,381m)、シアーズタワー(108階,442m,当時世界一)、ジョンハンコックセンター(100階,344m)等です。ワールドトレードセンターの展望台の北側では、ローワーマンハッタンの超高層を越えるとグリニッジビレッジあたりの低層建物が広がり、ミッドタウンでまた超高層が集まり、その先にセントラルパークが見える風景が今でも忘れられません。旅の疲れや緊張感から解放され、1時間以上眺めていたような気がします。
 会社に入ってからは、主に超高層に関わる技術開発、施工、設計を担当させて頂いています。昨今は未曽有の不況になり、先行きが不安で暗いニュースが多くなっていますが、いつまでも夢を追い求め、(自分の中で)世界一の超高層を手がけられればと思います。その際には、かならずキャプテンパイル工法を採用したいと思います。

 協会の活動を通じ、様々な方からご指導頂き、本当にありがとうございます。協会に少しでも貢献できるよう頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。

2009年3月