みちのく探訪

矢島 淳二,東急建設

紅葉の奥入瀬渓流(青森県)
紅葉の奥入瀬渓流(青森県)

 みちのく(道の奥)と呼ばれる東北地方も、新幹線「はやて」号により仙台、盛岡も飛躍的便利になった。街の中心部には高層ビルが建ち、東京で見かける店も増えて地方の独自色はいささか薄れた気はするが、山里の自然はまだまだ健在で毎年必ず訪れてしまう。下り新幹線に乗って左側の席に座ると、男体山、那須岳、安達太良山・・・岩手山、八幡平と途切れることのない奥羽山脈が連なり、晩秋から春にかけては雪をまとって一層際立って見える。奥羽山脈は、日本海溝に沈み込んだ太平洋プレートが地下で溶けてマグマとなり、それが噴出して形成された火山列である。旧火口は水をたたえて田沢湖、十和田湖などのカルデラ湖となり、そこから流れ出た水は渓流や渓谷を形成する。朗々とした山の雄姿に湖や渓谷が変化を与え、春夏秋冬の美しさをみせる。

 山脈の東側は火山フロントにあたり、温泉も列状に点在し、秘湯と呼ばれている温泉も数多い。そこには、山菜や川魚に代表される山の幸と、以外に近い海から採れた新鮮な海の幸がある。地酒があれば申し分ない。

 学生の頃は、時間だけはあったので、JRの周遊券を買って車中泊したり、ユースホステルに泊まったりして、貧乏旅行を楽しんだ。今は時間の方が貴重になってしまったので、新幹線で出掛けて週末の1泊か2泊の小旅行である。それでも、みちのくの大自然にふれて、気持ちも体もリフレッシュして、満腹になって、ちょっと二日酔いぎみになって帰途につく。

 皆さんも、便利になったみちのくに出掛けてみてはいかがでしょうか。

 最後に、弊社は4月よりキャプテンパイル協会の準会員としてお世話になることになりましたが、ようやく採用候補の物件がみつかり実施設計を行っているところです。今後もご指導・ご協力のほど宜しくお願いします。

2007年12月