咲いた咲いたチューリップ

吉川 清峰,飛島建設

シンゲルの花市
2006年12月23日
2007年3月6日
2006年4月9日

 本日桜の開花予想も発表され、春の到来が待ち遠しい季節となりました。桜に限らず、春の花々の開花準備も着々と進んでいます。チューリップは桜と同じくこれからの季節に楽しめる花ですが、芽が出るのはいつ頃かご存じですか。

 お花屋さんの店先には1月でもつぼみを付けた鉢が並んでいますが、これらは露地物ではないので実際の季節感とはずれがあるようです。

 2005年の夏に北欧を旅したときに降機したのがアムステルダムでした。オランダと言って思い浮かべるのは風車とチューリップでしょう。アムステルダムには半日しか滞在しませんでしたが、シンゲルの花市というところでチューリップの球根を買いました。ここは食べ物以外のお土産は一通り揃っているのですが、メインはやはり花関係、中でもチューリップの球根です。まるでジャガイモを売るがごとく山積みになって売られていました。先の行程が長かったので10コ入り1袋(3.5ユーロ)だけにしました。

 帰国後、時期を見てプランターに6コ、庭の地面に4コ植えました。

 チューリップの芽は、春の訪れとともにどころか、これからが冬本番の12月の中旬に出てきました。写真は12月23日のものです。力強く土を押し上げています。そして3月6日現在の姿です。こうなってくると立派な花を咲かせるのはほぼ確実な気がしてきます。最後は昨年4月9日のものです。今年もあと1ヶ月後にはこのような花を咲かせてくれるでしょう。今の様子からすると昨年以上になるのではと期待をしています。

 さて、咲き終わってしばらくすると枯れてしまうわけですが、その後はどうなるのでしょう。枯れてしまったチューリップのその後なんて普通誰も興味ありませんよね。その後チューリップは、葉や茎にある養分を球根に戻し、来年のために再び球根に蓄えるのだそうです。だから枯れた葉や茎は取り除いたりせずに、そのままにしておかなければならないそうです。

 これからが冬という寒いさなかにも、人々が関心を示さなくなった後にも、見えないところでしっかり仕事をしているんですね。

 人は地面の上の華やかな部分だけに関心を持ち評価しがちですが、それを可能にしている本質は地面の下にこそあると教えられました。

2007年3月