師走といえば、、、

新井寿昭,西松建設

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キャプテンパイル工法の開発から参加させて頂き、感謝致しております。12月の担当を仰せつかり、何を書こうか迷いましたが、私の今を支えている大学時代について主に紹介したいと思います。

その前に、11月下旬に千葉県の養老渓谷に行ってきましたので、その時の写真を掲載します。紅葉狩りのピークには少し早かったようですが、天気が良かったせいもあり、非常に賑っていました。あまりゆっくりする時間はなかったのですが、師走前の自然の美しさを感じることができました。

最近になってようやく写真のような自然の美しさで季節を感じるようになりましたが、以前は季節といえばいろいろなイベントしか頭になかったように思います。
高校は男子校でしたので、普段女性と話すことも皆無でした。そんなこともあり、大学進学にあたって、漠然と建築方面に進みたいと考えていた一方で、高校時代には出来なかったクリスマスパーティ-やスキーなどの楽しいイベントで1年を過ごせたらいいな、と考えていました。

大学入学後も、毎日授業、理工学部のせいか周りはほとんど男子学生ばかり、という高校時代とほとんど変わらない環境でした。ちょうど自動車学校に通い始めていた時期で面白いと感じていたため自動車関係の“部”に入部したことが、大学時代の生活環境を決定づけました。部員は男性ばかり、服や美味しい食べ物、楽しいイベントにお金を使うようなことはせずに、お金は車のガソリン代や部品代、走行会代(ラリーのようなもの)等のために使うというようなストイックな集団でした。いつの間にかそのようなストイックな環境に馴染んでしまい、不思議と部活動の無い日でも自然と部室に足が向き、ますます男くさい生活にはまっていきました。
最近でこそ、車の整備はプロに任せていますが、その当時は簡単な整備であれば自分達で行うのが常でした。といっても学生が乗る車ですから古い車ばかりです。また、マニュアル以外は車とは認めないという変なポリシーがあり、今でもマニュアル車に乗っています。当時、友人の一人の車は古いうえに、少しでも軽量化するために内装を全部剥がしていました。窓を閉めているにもかかわらず風が入ってくるので、夏は良いのですが、真冬でもガソリンや電気を余計に消費するからということで暖房を入れてくれません。とても寒くて助手席には乗れませんでした。

大学3年生の終わりで卒部し、研究室に所属しても劇的に環境が変わるわけでもなく、時々部活には顔を出し、一方では杭と地盤に関する研究に邁進?し、相変わらず季節を感じる暇のない生活が続きました。
そんな大学時代の部活動や研究室の活動を通して社会の厳しさ、礼儀等々、現在の業務の基礎知識を学ぶことができましたが、結局思い描いていたような楽しいイベントは実現しませんでした。男同士でいくらスキーに行っても、それはそれ、思い描いていたものとは異なります。しかもスキーに行っているはずなのに、いつの間にか雪上ラリーです。

そんな私でも、キャプテンパイル工法開発中の師走の時期に遅ればせながら結婚しました。独身時代と感じ方は大分異なるのでしょうが、結婚後はささやかながら以前思い描いていたイベントは実現しました。しかし一方では、マニュアル車のポリシーは崩れかけています。
結婚を機に散歩する機会が増えたせいか、周囲の自然が目に入るようになり、その自然の美しさで季節を感じるようになりました。結婚に際しては沢山の方に大変お世話になり、感謝致しております。

今月は師走で、忘年会と称してお酒を飲む機会が増えます。結婚してからも、ついつい飲みすぎてしまうことが多々あります。最近、ふとしたきっかけで昔の佐賀鍋島藩に興味を持ち、「葉隠」を読んでいるのですが、その中にもお酒に関する教訓が書かれており、師走でもありますので改めて戒めたいと考えています。時代、風土は違うものの、その他にも非常に参考になる教訓が多く書かれており、学ぶべきことはまだまだ沢山あるものだと感じます。

キャプテンパイル工法は時代、地域を問わずに適用できるすばらしい工法と考えています。今後も、このようなキャプテンパイル工法の普及に努めていきたいと考えています。

2006年12月